涙が出る・涙があふれる(涙道閉塞症)
涙道閉塞症
涙は瞼の涙腺で作られ、目の表面を潤した後、目頭にある涙点から鼻涙管を通って鼻腔に抜けて行きます。この涙の排水路のどこかが詰まる病気が涙道閉塞症です。
症状
常に涙が溜まっていたり、勝手に涙がこぼれてきたりします。
また炎症をおこすと、 目頭から膿のような分泌物が流出することもあります。
検査
まず涙道通水検査を行って、病気の程度を把握したのちに、必要があれば、涙道内視鏡、鼻内視鏡、 CT・MRI検査を追加して行います。
治療
この疾患を目薬で治すことは困難です。 このため以下のような処置が必要となります。
涙管チューブ挿入術
涙道に直径1mmのチューブを挿入し2~3カ月間留置します。
涙嚢鼻腔吻合術
閉塞した部位の横から一部、鼻の骨を切除して窓を作り、直接鼻腔に通じるバイパスを作成する術式です。入院が必要です。
- 鼻外法:目頭から鼻の横にかけて皮膚を切開し直接観察しながらバイパスを作ります。
従来からある術式で切開が必要ですが確実な方法です。入院は1週間程度で、抜糸してから退院です。 - 鼻内法:顔面の皮膚切開をせず、鼻内視鏡を使って鼻腔から鼻粘膜や骨を切除しバイパスを作ります。顔面に傷を残さず、抜糸も無いため入院も短い(2~3泊)術式です。
但し、鼻中隔弯曲(左右の鼻の孔を分ける壁が強く曲がる疾患)、耳鼻科疾患がある場合は不向きで、その重症度によっては、そちらの治療を先にしていただく場合もあります。
鼻腔涙嚢吻合術の手術映像
当院の耳鼻科顧問 竹林医師の掲載記事
めばちこ
めばちこ(ものもらい)は麦粒腫(ばくりゅうしゅ)と霰粒腫(さんりゅうしゅ)の2種類に分けられます。 麦粒腫とはまぶたにある脂や汗を出す腺に細菌が感染して起こる急性の化膿性炎症のことです。霰粒腫とはまぶたにある脂を出す腺の出口がつまって慢性的な炎症が起きる結果、肉芽腫という塊ができる病気です。主な症状として腫れ、異物感、赤み、痛み、まぶたにしこりが残る(霰粒腫)が挙げられます。
さかまつげ
まつげが自分の目に向かって生えている状態です。さかまつげによって角膜が傷つけられることがあります。目の充血や違和感、痛み、涙などを生じさせます。また、さかまつげによって慢性的に角膜が傷つけられると視力低下につながる可能性もあります。
流行性角結膜炎
アデノウイルスが原因で発症する感染症の一つです。はやり目と呼ばれることもあります。目の充血や、目やに、ゴロゴロした眼の痛み、まぶたの腫れ、涙などといった症状が出てきます。
アデノウイルスに対する特効薬はなく、流行性角結膜炎を発症した場合には症状に合わせた対症療法が中心となります。また、感染力が強いため、周囲へ感染を拡大させないようにすることが大切です。
角膜結膜異物
何かの拍子に異物が目の中に入った状態です。ごく小さなゴミやホコリでも痛みや涙が出ることがあります。目を強くこすらないようにしてください。
ドライアイ
目の表面を保護している涙の量が不足したり、涙の質が低下する病気です。エアコンやパソコン、スマートフォンの使用、コンタクトレンズの装用などが原因として挙げられます。
ドライアイの症状
- 目が乾く
- 目が痛い
- 理由もなく涙が出る
- 目がゴロゴロする
- 物がかすんで見える
- 光がまぶしく感じる
- 目が疲れる
- なんとなく目に違和感、不快感を感じる