子どもの発音が気になるときに知っておきたい「構音障害」の種類と特徴
お子さんがうまく言葉を話せなかったり、音の出し方に違和感があったりすると、保護者としては少し不安になることもあるかもしれません。「もしかして構音障害かも?」と感じたときに知っておきたい、構音障害の主なタイプとその特徴について、わかりやすくご紹介します。
1. 機能性構音障害(きのうせいこうおんしょうがい)
このタイプは、口や舌の構造、神経系などに異常がないにもかかわらず、特定の音を正しく発音できない状態です。多くの場合、知的発達や聴力には問題がありません。
よくある発音の間違い例:
・「さかな」が「たかな」になる(音の置き換え)
・「くつ」が「くう」になる(音の省略)
・舌足らずな音になる(音の歪み)
・「くつ」が「くつう」になる(余分な音の添加)
主な原因
・小さい頃の発音のクセ
・言葉のモデルが未発達なため
サポート方法
・言語聴覚士による発音トレーニング
・おうちでの練習も効果的
・幼児期など早い段階での関わりが大切です
2. 聴覚性構音障害(ちょうかくせいこうおんしょうがい)
音の聞き取りがうまくできないために、正確な発音が難しくなる障害です。聞こえづらい音ほど誤りが起こりやすい傾向があります。
特徴
・自分の発音をモニターしにくい
・高い音や無声音(例:「さ」「し」など)で誤りが多い
・言語の発達にも影響が出ることがあります
主な原因
・先天性や後天性の難聴
・中耳炎による一時的な聴力低下
・聴覚情報処理障害(APD)
サポート方法
・補聴器や人工内耳による聴力サポート
・発音練習に視覚的なヒント(鏡や図など)を活用
・早期発見・早期対応がポイントです
3. 器質性構音障害(きしつせいこうおんしょうがい)
発音に関わる器官の構造的な異常(先天的・後天的)が原因で起こる構音障害です。発音のトレーニングだけでは改善が難しいケースもあります。
主な原因
・口唇裂や口蓋裂
・舌小帯の異常(舌の動きが制限される状態)
・歯並びやかみ合わせの問題
・手術やけがによる影響
治療やサポート方法
・外科的手術や歯科的処置
・発音の訓練(治療後に実施することが多い)
・医師・歯科医・言語聴覚士などの連携が必要です
4. 運動障害性構音障害(うんどうしょうがいせいこうおんしょうがい)
筋肉の動きや力のコントロールがうまくいかず、発音が不明瞭になるタイプです。脳や神経の病気が背景にあることが多く、話すこと以外にも食べる・飲み込む動作に影響が出ることもあります。
主な原因
・脳性麻痺
・脳卒中後の麻痺
・筋ジストロフィーやパーキンソン病などの神経筋疾患
・脳の外傷
主な症状のタイプ
・筋肉の麻痺による発音困難(麻痺性)
・舌や唇の動きがぎこちない(運動失調性)
・筋肉が勝手に動いてしまう(錐体外路性)
・筋緊張が強く、話し方が硬い(痙性)
・複数の症状が混ざった状態(混合性)
サポート方法
・専門家による発音・口腔運動トレーニング
・呼吸の調整や補助的なコミュニケーション方法の導入
・医療的なケアとの併用が必要です
東手城クリニックの言葉の教室
当院では小児科・耳鼻咽喉科と連携したお子さまの言葉の発達支援として「ことばの教室」を行なっています。
ことばの教室では、言語・発声・発音に特化した国家資格である言語聴覚士がマンツーマンでお子さまの言葉の発達をサポートします。
ご相談(初回カウンセリング)は無料ですのでぜひお気軽にご相談ください。
お電話でのお問い合わせは 084-926-3387 (担当:ひろかね)までご相談ください。
※カウンセリング等の実施場所は堀病院(福山市沖野上町)となりますのでご注意ください。